「籔内佐斗司」カテゴリーアーカイブ

電柱と電線

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館長の部屋

第67話 電柱と電線

奈良県立美術館館長 籔内佐斗司

ようやくコロナ騒動が終息したので、数年ぶりで岩手県の陸前高田へ行ってきました。

ご存じの通りこの街は、2011年3月11日の東日本大震災の津波でほぼ全滅しました。

美しい高田の浜辺を覆っていた無慮数万本の松林が、たった一本を残して流失したことでも知られます。

そこで、200年以上高田の街を守ってきた松をただ朽ち果てさせたり燃料用チップにするのは忍びないと、地元有志や長野県の善光寺の僧侶らが慰霊の仏像を造ろうと立ち上がりました。

そして、当時私が勤務していた東京藝大大学院文化財保存学に相談があり、直径1メートルほどの巨木を使って十体ほどのお地蔵さまを数年がかりで造らせて頂きました。

それ以来、地元の方とずっと親しいご縁が続き、12年間の復興の様子を毎年継続して観察するという希有な体験をすることになりました。

さて民主党政権下の国、県、市が急拵えで策定した復興事業は、今から思えばかなり拙速が目立ちます。

被災地全体を5メートル嵩上げする事業のために、周辺の山の木を伐採して、山肌を削った土砂が巨大なベルトコンベアを使って運ばれました。

地元では、山を削ったことで気仙川への土砂の流入や山津波を心配する声もありましたが、急ぐ復興事業の前にかき消されたというのが実情です。

案の定、流れ込む土砂によって海草は年々減り、牡蛎もウニも小粒になり、収量は減少し続けているとのこと。

市街地の嵩上げ工事と併行して進められたのが、高さ10メートルという巨大防潮堤で市街地を囲うという計画でした。

地元民からは「街から海が見えなくなる」と反対する声が当初からありましたが、事業は強行されました。

冷静に考えれば、百年に一度といわれる10メートルの津波の被害を防ぐのなら、ヘリポートを備えた高さ15メートル程度の避難施設を兼ねた公共の建物を300メートル程度ごとに10棟ほど建てれば、景観を大きく損ねずに、しかも格段に安価な建設費で、しかもおしゃれに復興事業ができたのではと思いましたが、後の祭り。

やがて嵩上げ事業が終わると、新しくできた地盤の上に道が造られました。そこでまず目を疑ったのは、新しく造られた道路に沿って、電柱が林立し始めたことです。

「だれもが帰って来たくなる、移り住みたくなる街」を造るべきだったのに、まるで終戦後の昭和の街のように電柱と電線が街を覆い始めるという信じられない光景に呆然としました。

さすがに街の中心部にできた公共施設や商業施設の周辺から電線の地下埋設が実行されましたが、その周辺の広大な造成地は松原の代わりかと思うほど電柱が林立しています。

電柱と電線の地下化をおこなった未来志向のモデル都市を造る千載一遇のチャンスを失ったことは、残念だなあと思います。

わが国では、超が付く高級住宅街であっても電柱が列を成し、電線が張り巡らされていることが日本の七不思議のひとつに挙げられます。

世界の大都市の電線の地中化率は、100%の欧米は別格として、香港100%、台北95%、ソウル49%に比べて、東京23区8%、大阪市6%はどう考えても異常です。

海外の友人からは、「いくら富裕層が住んでいても、電信柱や電線が見えるような街はプアマンズタウンだ」と厳しいことを指摘されます。

さて、人類が火を日常的に使い始めて15万年程度と考えられています。その間、樹木を燃やすことでエネルギーを得ていましたが、18世紀ころから化石燃料が起こす蒸気エネルギーを利用するようになり、それ以降、人類はいかに効率よく発電するかに心血を注いできました。

技術革新のたびに、生活は便利に快適になり、人口は急激に増加しました。しかし、20世紀になって夢のエネルギー源と思われた原子力発電が、スリーマイル島やチェルノブイリ、福島第一原発の事故によって暗雲が立ちこめ、現在は太陽光、風力などの脱炭素エネルギーを用いた発電が注目されています。

しかしこれらとて太陽光パネルや巨大風車などの発電設備を造るのに要する莫大な環境負荷が解決されたわけではありません。

そして永らく石油による内燃機関が移動手段を支えてきましたが、近年は自動車の世界シェア獲得競争でHybridかEVかで、きれい事だけではない理由で揉めているようです。

しかし、今私たちが地球上のすべての生物の存亡をかけて取り組むべき最重要課題は、たんなる「脱炭素」ではありません。

それは、増えすぎた人類の数をどうやって減らし、快適になりすぎた生活レベルを引き下げながら、「脱電力」を進めるべきだと私は考えます。

このことについては、また稿をあらためて。 図版クレジット)

新しく造成された高田市街地の道路に林立する電柱と電線 山を削る巨大ベルトコンベア 無電柱化されたロンドンの街並み 世界の大都市の電線地中化率 港区麻布の街並み 世田谷区成城の街並み

 

*画像・内容は籔内佐斗司氏のSNSよりお借りしました。


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第66話 技術革新 奈良県立美術館館長 籔内佐斗司

19世紀の産業革命以来続いている近代産業の技術革新は、常に民生利用と軍事利用の両輪で発展してきました。

18〜19世紀の戦場は、赤や青の派手な布地に金モール、金ボタン、羽根飾りなどの華美な装飾を施した軍服に身を包んだおもちゃのような兵士が隊列を組んでぶつかり合う「美しくも野蛮な戦場」でした。

そこで用いられた銃剣を付けた単発式の長い鉄砲を一発撃ったあとは、その銃を槍や棍棒のように振り回す古代とかわらない戦い方でした。

それが20世紀に入ると、迷彩色の軍服に鉄兜で這いずり回り、連発銃や機関銃、手榴弾、毒ガス、榴弾砲、火炎放射器による塹壕戦や、飛行機や戦車まで登場した泥と血にまみれたアナログ技術の大量殺戮による「悲惨なだけの汚い戦場」になりました。

その流れを引き継いだ第二次世界大戦からベトナム戦争までは、殺戮の技術がますます効率的になり、死傷者の規模が飛躍的に増大しました。

その後、中東で繰り広げられた戦いは、電子制御による戦車戦、空中戦へと進化し、特に「砂漠の嵐作戦(1991)」は、多国籍軍にとっては「血を流さないスマートな戦場」でしたが、イラク兵にとっては「一瞬にして炭になる無慈悲な戦場」でした。

そして、現在ウクライナで行われている戦いは、精密誘導兵器の実験場と化しています。第二次世界大戦末期に開発され、広島と長崎で使用された核兵器は、その後、米ソの理性による「恐怖の均衡」によって戦場では一度も使用されてはいませんが、米ロの影響力が低下し、核保有国が拡散した現在、いつどこで使用されてもおかしくない状況が続いています。

そして現代は、宇宙とサイバー空間という新しい戦場へと拡大しました。そこには、近代以来のアナログ技術ではなく、エレクトロニクスとデジタル、バイオテクノロジーという目に見えない恐怖が支配しています。

とくに「人工知能・AI(artificial intelligence)」は、軍事と民生の区別なく、すでに私たちの日常生活の隅々にまで浸透してしまいました。

私たちが買い物をする際にしつこく「〇〇のポイントカードはお持ちですか?」と訊かれますが、そうして集められた天文学的な個人情報を整理分析し管理することを可能にしているものこそが、日進月歩の「AI」技術に他なりません。

最近、ビル・ゲイツ氏は、「AIの発達は、インターネットや携帯電話の導入と同じぐらい基本的なことだ」と述べています。私たちの未来、いやすでに現在は、AIの活用なくしては成り立たなくなっているのです。

1990年に写真を加工するソフトのAdobe Photoshopが販売され始めた頃、「これからは写真が信用できなくなる時代が来るね」と話したのを覚えていますが、今や、映画や映像の制作においてAIを活用した動画編集ソフトは不可欠になり、ネットニュースにはまるで現実と見間違う虚構の映像で溢れかえっています。

2001年から運用が始まったWikipediaは、その記事の信憑性や不確実性が問題となって、学術論文を執筆する際の出典や引用には認めないという暗黙の了解がありました。

しかし20年経って、ウィキベディアやグーグル検索の信頼性は飛躍的に高まり、一次資料、二次資料まではいかないものの、かつての百科事典に準ずる扱いになりつつあり、私もちょっとした調べものには大変重宝しています。

また2022年に開発されたばかりのOpenAI社のChatGPT(Generative Pre-trained Transformer、AIが事前学習して、質問に対して自然な言語で自律的に答えるソフト)は、学術、言論、報道、教育界のすべての分野に、大きな衝撃を与えています。

その信頼性は日増しに改善されているとはいえ、善悪を判断しないAIが呼吸するように虚偽情報を垂れ流すこの機能を、誰が制御できるのでしょう。

自我の形成が脆弱といわれている日本人が不用意にこのソフトを利用すると、その性善説を疑うことなく信じこんでしまうのではないかと心配です。なにしろ今頃になって、文科省が初等教育でプログラミング教育に躍起になっているほどデジタル音痴の国なのですから。

多くの日本人は、人とのコミュニケーションや学術、平和産業への応用に興味があるようですが、AIは確実に軍事分野でものすごい進化を遂げています。それは、従来の戦争の概念や社会を根本から覆す可能性を秘め、人類存亡に関わる技術でありながら、それを制御する技術も思想も国際的な合意も、その進化の速度に追いついていないことがとても不安です。

『2001年宇宙の旅』(1968)で提議されたAI・HAL-9000に倫理観を持たせる方法は、果たして見つかるのでしょうか?

「人類が幸せに生き永らえるために、AIを捨て去る方法は?」とChatGPTに尋ねたら、どんな答えが返ってくるのでしょうね。

図版クレジット 19世紀中頃の英軍兵士の軍装 映画「1971」の英軍兵士 OpenAi社のChaptGPTの宣伝 Chapt GPTのデモによる模範解答 『2001年宇宙の旅』のHAL-9000のインターフェイス

 

*画像・内容は籔内佐斗司氏のSNSよりお借りしました。


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第65話 商業デザイン

奈良県立美術館館長 籔内佐斗司

 

藝術は、経済が大いに盛り上がっているとき、すなわちバブル経済が発生している場所で大きく花開きます。

ネッサンス期のフィレンツェ、植民地や東インド会社が莫大な冨をもたらした頃のオランダや英国、世紀末から20世紀初頭のパリ、1950〜70年代のニューヨークがそうでした。

日本でいえば、南蛮貿易で栄えた安土桃山時代に生まれた茶の湯の文化や装飾的絵画の琳派、元禄バブル期に生まれた浮世絵などは、日本美術の代表として今も世界で高く評価されています。

逆を言えば、歴史的に見て経済が沈滞している場所での藝術界は概ね生彩がありません。

思い起こせば、オリンピックや万博が開かれた1960年代から90年代の日本は行け行けどんどんの時代で、藝術界は大いに活況を呈しました。

しかし、経済規模では当時よりも巨大化している現代ですが、あの頃に比べていまひとつ元気がないのは、バブル経済ではないからでしょう。

戦後、日本のアパレルブランドが世界を席巻したころは、ファッションデザイナーの黄金時代でした。三宅一生(1938〜2022)、山本寛斎(1944〜2020)は、デザイン性でもビジネス面でも世界的な成功を収めました。

寛斎さんの狂言や歌舞伎の衣裳を思わせる奇抜な造形性に世界が驚き、一生さんの洗練された色彩や日本の絞りや縮緬地を思わせる「PLEATS PLEASE」(1993)シリーズは、意匠性だけでなく機能面でも、世界中のアパレル業界が虚を突かれたものでした。

かつて、あるニューヨークの画廊経営者が東京に来たとき、絵画が並んでいる銀座の画廊街や美術館には目もくれず、まず青山の「イッセイ・ミヤケ」のショップに行きたがったのは衝撃的でした。

また工業デザイン分野では、奥山清行(1951〜)や由良拓也(1951〜)らの若き自動車デザイナーがポルシェやフェラーリなどのデザインを刷新して世界を魅了しました。

余談ながら、由良氏はスマホの自撮り棒を開発しながら、日本ではまったく売れなかったので権利を放棄したことはあまり知られていないことです。  絵や彫刻とちがい、作者の名前が出ない商業デザインや広告デザインですが、ほとんどのひとが日常的に彼らのしごとに触れています。

亀倉雄策(1915〜1997)が生み出した多くの企業ロゴや作品は傑作ぞろいです。

特に1964年の東京オリンピックのポスターに代表されるアートワークのすばらしさは伝説的です。

それに引き替え、TOKYO 2020のものは、残念ながらかなり低調と言わざるをえません。

また資生堂や西武・パルコなどの先鋭なアート戦略を牽引した石岡瑛子(1938〜2012)のポスターや、誰もが知っているロゴマークの多くをデザインした松永真(1940〜)の作品も、いつまでも色褪せることがありません。  そして忘れてはならないのが、奈良市出身で日本の高度成長期に大活躍したグラフィックデザイナー・田中一光(1930〜2002)。

奈良県立美術館には、彼の充実したコレクションがあり、開館50周年記念の第一弾として、特別展『田中一光 デザインの幸福』展を4月22日(土)〜6月11日(日)に開催いたします。

知的で温かくユーモラスな彼の作品は、使い捨てられることの多い商業デザインにおいて、これからも永く輝いていくことでしょう。

そして今展では、生前から親交の深かった三宅一生とのご縁から、三宅デザイン事務所と三宅一生デザイン文化財団のご協力を頂き、新装なった県美ギャラリーを中心に彼の特別展示をいたします。

田中一光、三宅一生という日本を代表する商業デザイン界の巨匠の世界を一堂に楽しめる今回の展示を、ぜひお見逃しなく。

図版解説) 山本寛斎「スケッチャーズ」ポスター

亀倉雄策「TOKYO 1964」ポスター

石岡瑛子「資生堂Beauty Cake」ポスター

松永真「日本財団 ロゴマーク」

三宅一生(Esquire.comより)

奈良県立美術館「田中一光 デザインの幸福」展ポスター

 


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#東洋の智慧  #籔内佐斗司

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館長の部屋 第64話 東洋の智慧

奈良県立美術館館長   籔内佐斗司

私が子どもの頃の同級生にはいくらでもいたのに、最近はとんと聞かなくなった子どもの名前に、男の子なら誠くん、仁くん、義男くん、孝くん、女の子なら徳子ちゃん、礼子ちゃん、智子ちゃん、信子ちゃんなどがあります。これらは、すべて儒教に由来する文字を用いた名前です。

しかし、近年になって儒教的素養が日本人の心から失われてしまった結果、そうした名前を付けなくなったのでしょう。

「徳」は、儒教が説く「五常の徳(仁・義・礼・智・信)」や、その実践例としての「孝・悌・忠」などの総称で、それらはひとが備えるべきもっとも重要な徳目です。

『論語』の「徳は孤ならず、必ず隣あり(徳のある人は決して孤独ではない 必ずともに歩む仲間がいる)」は有名です。

「誠」は、「誠とは天の道なり これを誠実に行うは人の道なり(『中庸』)」から来ています。

さて現在、「仁・義・礼・智・信」の意味を、きちんと説明できるひとはどれぐらいいるでしょうか?また、「親や年長者を敬い大切にする」という「悌」は、家制度が崩壊し、学校や社会から「長幼の序」がなし崩しに消滅した現代、その意味を正確に知っている人は少ないと思います。

東アジアに共通していた「悌」の美徳は、儒教の本家の中国でも、文革の時代に紅衛兵が自分の親や学校の先生に三角帽子を被せて吊しあげたり、一人っ子政策による「小皇帝」の出現によって、過去のものになったといわれます。

そして、「Global」「Diversity」「SDGs」「Gender」などという欧米発の新しい「宗教」が席巻している現代では、こうした東洋の美徳は押されっぱなしです。

しかし、一神教の精神風土を背景に生まれた新しい「宗教」を、それを待たない私たちが表面的な流行として全面的に受け容れることはとても危険です。

明治時代に、蕩々と流れ込む西欧文明に溺れることなく、日本人としての矜持を保ちえたのは、まさに儒教や神仏という東洋の思想が基盤にあったからだと思います。

儒家の根本教典である『四書五経』から抜粋した格言などを、子供にも分かりやすく読みやすく編纂した『実語教』『童子教』という教科書が中世から江戸時代まで重宝されました。

そしてさまざまなスポーツの国際舞台で日本人の礼儀正しさや誠実さ、倫理観の高さなどが称揚されていますが、寺子屋などで庶民の師弟が幼いうちにたたき込まれたまさに思想的「財物」の残滓が、いまだにかろうじて日本人に残っているのだと思います。

しかし、ひととしてしなければならぬことやしてはならぬこと、また、近代西洋起源の合理主義思想と個人の権利や損得を最優先する戦後の教育現場で、出処進退を決めるときの「善きひと」としての判断基準となる東洋の美徳が排除されています。

そして、日本人の品性が世代を重ねるにつれ卑賤になっているように感じるのは私だけでしょうか。

私などは、寺子屋の教科書『実語教』を拾い読みするだけで、いにしえびとが「智」や「徳」を何物にも先んじて大切していたかを実感するとともに、恥ずかしながら自らの日々の行いを大いに反省させられます。

SNS上の醜い諍いやYouTubeで拡散している信じられない行為、また目を覆いたくなるような民主的「選良」たちの愚行が日常的に出来する昨今、「善きひとのありよう」を教えた東洋の智慧を愚直に見直すことが、世界が多極的価値観を求める時代にとても大切ではないかと思います。

図版クレジット)

孔子像 絵草紙『實語教 童子教』 『実語教』全文 實語教 山高故不貴 以有樹為貴 山高きが故に貴からず。木有るを以て貴しとす。 人肥故不貴 以有智為貴 人肥えたるが故に貴からず。智有るを以て貴しとす。 富是一生財 身滅即共滅 富は是一生の財。身滅すれば即ち共に滅す。 智是万代財 命終即随行 智は是万代の財。命終われば即ち随って行く。 玉不磨無光 無光為石瓦 玉磨かざれば光無し。光無きを石瓦とす。 人不学無智 無智為愚人 人学ばざれば智無し。智無きを愚人とす。 倉内財有朽 身内財無朽 倉の内の財は朽つること有り。身の内の財は朽ちること無し。 雖積千両金 不如一日学 千両の金を積むと雖も。一日の学に如かず。 兄弟常不合 慈悲為兄弟 兄弟常に会わず。慈悲を兄弟とす。 財物永不存 才智為財物 財物永く存せず。才智を財物とす。 四大日々衰 心神夜々暗 四大日々衰え、心神夜々に暗し。 幼時不勤学 老後雖恨悔 幼きときに勤め学ばざれば、老いて後恨み悔ゆと雖も、 尚無有取益 故讀書勿倦 なお取益有るを無し。かかるが故に書を読んで倦むをなかれ。 学文勿怠時 除眠通夜涌 学文怠る時なかれ。眠りを除きて通夜に涌せよ。 忍飢終日習 雖會師不学 飢えを忍びて終日習え。師に會すと雖も学せざれば 徒如向市人 雖習讀不復 徒に市人に向かうが如し。習い読むと雖も復せざれば 只如計隣財 君子愛智者 只隣の財を数えるが如し。君子は智者を愛す。 小人愛福人 雖入富貴家 小人は福人を愛す。富貴の家に入ると雖も、 為無財人者 猶如霜下花 財無き人の為は、なお霜の下の花の如し。 雖出貧賤門 為有智人者 貧賤の門を出ずると雖も、智有る人の為には、 宛如泥中蓮 父母如天地 あたかも泥中の蓮の如し。父母は天地の如し。  師君如日月 親族譬如葦 師君は日月の如し。親族譬ば葦の如し。 夫妻猶如瓦 父母孝朝夕 夫妻は猶瓦の如く。父母には朝夕に孝せよ。 師君仕昼夜 交友勿諍事 師君には昼夜に仕えよ。友に交わって諍う事なかれ。 己兄尽禮敬 己弟致愛戯 己より兄には礼敬を尽くせ。己より弟には愛戯を致せ。 人而無智者 不異称木石 人として智無きは、木石に異ならず。 人而無孝者 不異称畜生 人として孝無きは、畜生に異ならず。 不交三学友 何遊七学林 三学の友に交わらずんば、何ぞ七学の林に遊ばん。 不乗四等船 誰渡八苦海 四等の船に乗らずんば、誰か八苦の海を渡さん。 八正道雖廣 十悪人不往 八正の道は廣しと雖も、十悪の人は往かず。 無為都雖楽 報逸輩不遊 無為の都に楽しむと雖も、報逸の輩は遊ばず。  敬老如父母 愛幼如子弟 老いたるを敬うは父母の如し、幼きを愛するは子弟の如し。 我敬他人者 他人亦敬我 我他人を敬へば、他人亦我を敬う。 己敬人親者 人亦敬己親 己人の親を敬えば、人亦己が親を敬う。 欲達己身者 先令達他人 己が身をば達っせんと欲せば、先ず他人の身を達っせしめよ。 見他人之愁 即自共可患 他人の愁いを見ては、即ち自ら共に患うべし。 聞他人之嘉 即自共可悦 他人のよろこびを聞いては、即ち自ら共に悦ぶべし。 見善者速行 見悪者忽避 善を見ては速やかに行け、悪を見ては忽ち避れ。 好悪者招禍 譬如響応音 悪を好む者は禍を招く。譬ば響きの音に応ずるが如し。 修善者蒙福 宛如随身影 善を修する者は福を蒙る。あたかも身に影の随うが如し。 雖富勿忘貧 或始富終貧 富むと雖も貧しきを忘るることなかれ。或いは始めに富み終わりに貧しいとも。 雖貴勿忘賎 或先貴後賎 貴しと雖も賎しきを忘るることなかれ。或いは先に貴く終わりに賎しくとも。 夫難習易忘 音聲之浮才 それ習い難く忘れ易しは、音声の浮才。 又易学難忘 書筆之博藝 また学び易く忘れ難しは、書筆の博藝。 但有食有法 又有身有命 但し食有れば法有り、また身あれば命有り。 猶不忘農業 必莫廢学文 なお農業を忘れざれば、必ず学文廃することなかれ。 故末代学者 先可按此書 故に末代の学者、先ず此の書を按ずべし。 是学文之始 身終勿忘失 是学文の始まり、身終つるまで忘失することなかれ。

 

 


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かねてより新規開学を進めていましたミスパリ学園付属ビューティ&ウエルネス専門職大学(Professional University of Beauty & Wellness)が、昨年秋に文科省の認可を得て、3月28日に開学式を、4月3日に入学式を行いました。

専門職大学(Professional and Vocational Universities (PVU))とは、2017年の学校教育法の改正により設けられた高度な専門職の技能と知識を持ち、その分野を指導できる教養ある人材を育成するための新たな大学です。

美容業界最大手の株式会社ミスパリ・下村朱美会長の永年の夢である「人間が美しく健康で生きるための学問」を創出するとともに、日本発のきめ細やかな総合美容術「和スパ」の国際的普及を目指す第一歩が始まりました。  学長には、お茶の水女子大学前学長・室伏きみ子先生をお迎えし、私は副学長・教授として優秀な教授・講師陣とともに指導いたします。

第一期生は148名で、藝大時代の研究室はいささかひねた大学院生ばかりでしたが、今回は若くエネルギーに満ちた若者たちとの新しい生活のスタートです。

https://www.b-w.ac.jp/

 

 


*画像・内容は籔内佐斗司氏のSNSよりお借りしました。


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