「籔内佐斗司」カテゴリーアーカイブ

中国由来の神々

本日も籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

館長の部屋 第53話
異貌の神々 中国由来の神々
奈良県立美術館館長 籔内佐斗司
 日本古来の霊性・Spiritである「たま」とは、人の目には見えないけれど確かな存在感を持ってわれわれに働きかけるちから・Forceの総体をいいます。そしてその性格によって、和霊(にぎたま)と荒霊(あらみたま)という二通りに分けられます。
和霊とは、文字通り安寧と福寿をもたらし、幸霊(さきたま)ともいわれます。
一方、荒霊は、天災や疫病などをもたらすおっかない霊性です。
しかし、どんなに荒々しい神であっても、一神教のように打ち倒すべき悪神や悪魔とせず、畏敬の念を持って対処したことがわが国の文化といえるでしょう。
昔の人は、風神・雷神が引き起こす台風や大ナマズが引き起こす地震、飢饉や流行り病に対処のしようもなく、すみやかに通り過ぎてくれるのを待つしかありませんでした。
 竃神(かまどじん)である三宝荒神は、さまざまな恩恵とともに恐ろしい火災に繋がる火の神として、穀神である大黒さまと並べて台所などに大切に祀りました。
どんな荒霊であっても丁重にお迎えし、神饌や歌舞音曲でもてなして、ご機嫌にお引き取り戴くのが古代からの和の国のならわしでした。
 荒霊の造形は、古代インドに源泉をもつ仏教の観音菩薩や明王、夜叉神が中国で道教と習合して形成されました。
日本には、天台宗や真言宗の密教信仰とともに修験道や山岳信仰などの要素が混ざって成立し、融通無碍な解釈が生まれました。
今回は、神社や祠に祀られている数多の荒霊の代表例をほんのすこしご紹介したいと思います。
〈妙見菩薩〉
 北極星や北斗七星を神格化した妙見菩薩は、観音信仰と道教の星宿思想が習合して成立したと考えられます。
菩薩と呼ばれますが、その姿は甲冑を着け、剣を執る姿をしています。
北魏から隋代にかけてすでに信仰が始まり、仏教が盛んであった唐代に大黒天や毘沙門天などの「天部」の一尊として、武闘の神「妙見天」とも呼ばれて大いに崇敬を集めました。
天台宗三代座主の円仁が晩唐を訪れたときに、その信仰が盛んであったことを『入唐求法巡礼記』に記し、わが国に妙見信仰をもたらしました。
そして鎌倉時代以降に天台系寺院や日蓮宗寺院を中心に武家の信仰を大いに集めました。江戸時代の平田篤胤による復古神道において、「記紀神話」が説く宇宙の中心の神である天之御中主神(アメノミナカヌシ)に比定され、明治の神仏分離の際に、多くの妙見菩薩がこの神に置き換わりました。
房総の豪族であった千葉氏は、熱心な妙見信仰を持っていたことが知られます。また徳川家の東照大権現も、妙見信仰の発展形といえるでしょう。
〈庚申(コウシン)〉
 道教では、「三尸(さんし)」という三種類の寄生虫が人体の頭、腹、下半身に住んでいると信じられました。
各地で見かける庚申塔や庚申塚は、この不気味な三尸を封じるために祀られました。
60日に一度めぐってくる庚申(こうしん)の夜に、三尸は宿主が眠っているのを見計らって体内から抜け出して、天帝に彼の罪を報告し、寿命を縮めてしまうのだそうです。
やがて唐代に仏教と習合して、庚申の夜にみんなで集まり、眠らずに一夜を明かす「守庚申会」というお祭りが行われました。
それが平安時代に日本に紹介され、貴族の間で流行しました。
民間では、江戸時代に入ってから庚申講とよばれる地域の集まりで夜明かしをする風習が盛んに行われました。
庚申塔や庚申塚のなかには、三尸を調伏する青面金剛(しょうめんこんごう)と三猿などを石に刻んだ碑が祀られていますから、庚申塚の前を通りかかったら、長寿延命を願って、そっと手を合わせて下さい。
〈道祖神(とうそじん)〉
 道教では、悪霊は門や玄関から直進して侵入してくるとされました。そこで福建省あたりでは、厄除けに「石敢當」という石碑を建てました。
中国文化の影響を強く受けていた沖縄の家々でも、入り口に石敢當(いしがんとう)を建てて、悪霊が入り込まないようにしていますし、日本の武家屋敷や寺社の玄関に衝立を置くのも同じ理由です。
おそらくこれとの関連があると思われますが、道祖神や塞の神(さいのかみ)などが各地の集落に通じる路傍に祀られています。
悪霊が溜まるとされた二股道や二股川の合流地点のことを「岐(くなど)」といい、塞の神として「岐神」が祀られました。
多くの場合、先史時代に作られて発掘された男根状の石棒などが転用されましたが、二股に立てるに相応しい造形物です。
 このように、「異貌の神々」のほとんどが海外から移入されたものといえます。そして江戸時代に盛んになった「国学」は、異国の要素を弁別し、「やまとごころ本来の神はなにか」を求める学問だったといえます。
それが、廃仏毀釈運動に繋がり、仏像だけでなく、由来不明の祠を次々に破壊してしまったことは、ほんとうに残念なことでした。
今一度、あなたも身の回りの神さまの戸籍について調べてみてはいかがでしょう?
図版クレジット)
青面金剛と三猿が彫られた庚申塔
妙見菩薩
沖縄の石敢當
塞の坊(籔内佐斗司作)

*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


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異貌の神々

本日は籔内佐斗司氏のSNSより・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

館長の部屋 第52話
異形の神々 ヒンドゥー教由来の神仏
奈良県立美術館館長 籔内佐斗司
「仏教はお釈迦さまの教え」といえるのは、スリランカやタイなどの上座部仏教の教えだけで、大乗仏教を説明するには無理があります。

なぜなら大乗仏教は、原始仏教にインドや中央アジアおよび東アジアの宗教と文化を貪欲に飲み込んで成立したからです。
ヒンドゥー教では、ブラフマー(生成)、ヴィシュヌ(維持)、シヴァ(破壊)という三神が輪番でこの世を支配するという時間軸をもった「トリムルティ」が信じられています。

この三神を大乗仏教に当てはめると、薬師如来(過去世)、釈迦如来(現世)、阿弥陀如来(来世)とぴったり符合します。

そしてヴィシュヌは、現世を10の変化神(へんげしん)となって支配するとされ、その9番目の姿が釈迦であると解釈しました。

すなわちヒンドゥー教は、ヴィシュヌ神の一化身として釈迦をちゃっかり取り込んでしまい、これが仏教発祥の地インドから釈迦の教えが消滅した原因のひとつといわれます。
ヒンドゥー教は、ヴィシュヌだけなく、たくさんの変化神を説いています。

その多くは多面多臂(多数の頭部と腕)の姿で怖い顔をしていて、日本の密教において、菩薩以外に天部や修羅、夜叉神として祀られています。

しかし、それらがあまりにも自然に習合しているため、現代の日本人はその神さまの本地を知らずに信仰しています。
観音菩薩は梵名をAvalokiteśvaraといい、漢訳経典の翻訳者や時代によって観世音菩薩(鳩摩羅什訳)、観自在菩薩(玄奘訳)、救世菩薩などと訳されました。

天台宗を開いた最澄が法華経(観音信仰)を日本にもたらす前(仏教史的には雑密・ぞうみつの時代)から観音は熱心に信仰され、飛鳥時代の法隆寺初め多くの寺院に伝えられています。
観音浄土は補陀落山(ポータラカ)と説かれ、チベットのポタラ宮の語源でもあります。

そして日本で「ポータラカ〜ほだらく〜ふたら〜二荒〜日光」と変化しました。なんと日光の語源は観音浄土の補陀落山だったのですね。観音は、名称だけでなく、その姿をさまざまに変化(へんげ)して衆生を救済するといわれます。

法華経(観音経)では三十三身に変化する応現身(おうげんしん)が説かれ、三十三観音霊場や三十三間堂の名前の由来にもなっています。

また六道においては六観音に変化し、それぞれの衆生を済度するとされます。
戦いに明け暮れる修羅道にある衆生を済度する十一面観音の梵名(ヒンドゥー教の名称)はekadaśamukhaといいます。

天平時代の最高傑作・聖林寺の十一面観音は、わが国最古の神社・大神神社の神宮寺・大御輪寺のご本尊でした。

また東大寺二月堂のご本尊は絶対秘仏の十一面観音ですが、お堂の背面には「小観音(こがんのん)」さんが祀られています。
ヴィシュヌ神は「千の顔を持つ支配者」という別名もあり、夜叉神の二十八部衆を従えて餓鬼道の衆生を救済する千手観音(sahasrabhuja)の原形のひとつではないかと考えられます。

インド神話には、多面多臂の神格はたくさんあるのですが、千手観音そのものの作例は見当たりません。

どうやら仏教がインドを出て中央アジアの宗教と習合する過程で成立したようです。
天台宗も、ヒンドゥー系のたくさんの変化神(へんげしん)を仏教の尊格として晩唐から移入しましたので、日本の天台系や密教系の寺院には、元を辿るとヒンドゥー教の神々をルーツに持つ尊格がたくさんあるのです。

しかし、明治初年の神仏判然令によって、夜叉神的尊格は隠蔽・秘匿されました。

それでも現在も多くの尊格が信仰されていますので、代表的なものをいくつかご紹介いたしましょう。
こんぴらさんで有名な香川県の金刀比羅宮も元を辿れば古代インド神話のクンビーラという大蛇を象徴する大河の神が源流で、クンビーラ〜金比羅〜金刀比羅〜琴平!
マハー・カーラ(音訳で摩訶迦羅、大いなる暗黒)という神は、時空を司るシヴァ神と同じ神で、中国で「大黒天」や「大自在天」と意訳されました。本来はすべてを破壊するたいへん怖い神さまなのですが、わが国で「ダイコク」の音から大国主命と習合されて、大きな頭巾を被って木槌を振るうにこやかな福の神の大黒さまになりました。

でも、大黒さまの裏の顔は、本当は怖いのです。
東京の金龍山浅草寺の近くに待乳山本龍院がありますが、ここのご本尊は歓喜天(聖天)。

元を糺せば象頭人身のガネーシャ神。境内のあちこちに二股大根と巾着袋の意匠で溢れているのは、吉原遊郭のそばなればこそかも知れません。
さてヒンドゥー教由来の神仏を紹介し始めたらとても語り尽くせません。七福神やお近くの「天」や「神」がつく尊格の本地を調べてみれば、日本は、ヒンドゥー教の神々が守護する国であったことに気がつかれることでしょう。
「異貌の神々」はまだまだ続きます。
画像)籔内佐斗司著『ほとけの履歴書』(NHK出版)より

 


*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


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阿弥陀如来立像

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修復って凄いですね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明治初年の神仏判然令にともなう排仏毀釈運動は、全国の仏教文化財に大きな被害を与えました。

関東地方のあるお寺でも、過激な尊皇主義者によって、本尊の阿弥陀如来が屋根から投げ捨てられ、ご覧のような状態になっていました。

その後、ご本尊は新調され、このお像はずっと箱にしまわれて保管されていました。

このたびご縁あって私どもが修復を受託し、手先足先を新補して、失われていた台座・光背も新しく制作して修理が完成し、150数年ぶりに、見事な鎌倉時代の阿弥陀如来立像に生まれ変わりました。

一時的な流行り廃りによる文化財の破壊は、ほんとうに愚かなことだと思います。


*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


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だんじり彫刻

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もう60年以上も前のことですが、大阪府堺市に住んでいた私は、毎年秋になると祖母に連れられて岸和田市のだんじり祭を見物に出かけました。

当時は「けんか祭」の異名のままにかなり乱暴で勇壮なお祭で知られ、地元の子どもではない私は、疎外感とともに羨ましく見上げたことを思い出します。

最近はずいぶん紳士的になったそうですが、それでも辻々を全速力で曲がる「やりまわし」は今も健在で迫力満点です。

先日、数年前に不思議なご縁で知り合っただんじり彫刻師の河合申仁さんの工房「賢申堂」を訪ねることができました。

祖母の家とよく似た昔ながらの古い長屋の工房はとても懐かしく、また河合さんとその仲間も、とても気持ちのいいひとたちでした。

そして彼の工房が3年以上かかって造り上げ、今年お披露目されたばかりの土生滝町のだんじりも間近で見せて頂きました。

日本のバロック建築といえる目もくらむほどの細かい細工にうっとり。

江戸時代からの歴史を持つお祭が、今も地元の人たちによって生き生きと引き継がれていることは、ほんとうに嬉しいことです。https://www.youtube.com/watch?v=H6qejpjFpnk  だんじり、山鉾、山笠などの山車はすべて四輪の車両ですが、その意匠のルーツを辿ると、大阪ー京都間の大動脈であった淀川を歌舞音曲を奏しながら往き来した貴人の御座船だったとのこと。

たしかに遠目には、人波に浮かぶ豪華な船のようです。だんじりについてくわしくお知りになりたい方は、篠笛奏者でだんじり研究家の森田玲さんの『日本だんじり文化論』(創元社)がお薦めです。

地域の信仰に根ざした歴史あるお祭文化は、日本の誇るべき宝です

 

*画像・内容は籔内佐斗司氏よりお借りしました。

 


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異貌の神々

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館長の部屋 第50話
異貌の神々 序説
奈良県立美術館館長 籔内佐斗司
 明治維新までのわが国は、神道と仏教が混淆した神仏習合の宗教だったと学校では習います。
しかし、記紀神話に基づく神道の神々と、大乗仏教の六道輪廻が説く仏界や天部に属さない尊格を祀った寺社はたくさんあります。
特に修羅道や餓鬼道という闇の神格の場合、その真の姿が隠蔽されてしまっています。本稿では、そうした夜叉神について考えたいと思います。
なお、今回のタイトルは栗田勇さんの名著『異貌の神々』(1967)から拝借しました。
明治初年の神仏判然令によって、仏教寺院になるか神道系寺院になるかのどちらかを選択しなければならかったときに、記紀神話に説かれず仏教経典にも典拠のない尊格が神宮寺(神仏習合寺院)にはたくさん祀られていて、そうした神々ほど民衆の信仰が篤くて、おいそれとは廃棄できませんでした。たとえば、『館長の部屋 第25話 牛頭天王』にも書いた八坂神社(旧名「祇園感応院」)の本来のご祭神・牛頭天王は『日本書記』には見当たらず、神仏分離令以後に素戔嗚尊に比定されました。
しかし、「祇園祭」、「茅の輪くぐり」、「蘇民将来子孫之家門」の護符など、都人の信仰を支える神社のひとつとして牛頭天王はしっかり根付いています。
お稲荷さんは、大小合わせると3万社を超えるわが国有数の神格で、今も伏見、豊川、笠間の日本三大稲荷は、数多の参詣者が絶えません。
そのうち京都の伏見稲荷大社は、神仏分離の際に神宮寺の寺院(本願所)を廃して神社になりました。
一方、愛知県の豊川稲荷の正式名称は「円福山 豊山閣妙厳寺」という曹洞宗の大寺院です。
神仏分離以後も「荼枳尼真天(だきにしんてん)」は祀り続け、稲穂を担いでいる姿から豊川稲荷という通称が定着しました。
茨城県の笠間稲荷神社は、18世紀に朝廷から神位正一位稲荷大明神号を受け、その社格は明治以降も引き継がれることとなりました。
その稲荷神ですが、『日本書紀』に出てくる穀霊の神「ウケノミタマ」が稲荷神と習合するのは室町頃と考えられます。
その稲荷神の由来は、ヒンドゥー教のシヴァ神の妻でとても残虐な女神「カーリー・マー(黒い母)」とも称された「ダーキニー」でした。
彼女は死人の肝を喰うとされた恐ろしい神ですが、肝を喰われることで死人は浄化され、来世に転生できるとヒンドゥー教徒は信じていました。
ダーキニーが中国で荼枳尼と音写され、わが国に入って狐を使わしめとした神仏習合神「荼枳尼天」が穀霊神・稲荷権現となりました。
大乗仏教圏であるわが国の仏教は、真言密教系と天台系(浄土系と法華諸宗など)および禅宗系の三つに大きく分けられます。
空海がもたらした真言密教は、ブラフマー(梵天・過去世)、ヴィシュヌ(毗湿奴・現世)、シヴァ(大自在天・来世)の三神が輪番でこの世を支配するという時間軸を持ったヒンドゥー教の教義(トリムルティ)を仏教的に解釈し直したものと考えられます。
三神はそれぞれに自然現象と結びついた変化神(へんげしん)と数多の眷属を率いており、これを天部や夜叉神などとして再構成したものです。
一方、天台宗は、法華経を研究した最澄を嗣いだ円仁、円珍という傑僧が晩唐の密教を詳細に研究し、夥しい尊格を移入し大きく発展しました。
近世に入り、徳川家康の側近として辣腕を奮った天台宗の天海僧正は、江戸の地に天台密教の尊格をたくさん祀りました。
東京台東区の「おそれいりやの鬼子母神」で知られる鬼子母神は、ヒンドゥー教の女神ハーリーティで、中国で音訳されて訶梨帝母とも呼ばれました。たくさんの子を産んだ母神ですが、反面、子育てのためにひとの子を掠って食べていました。
そのことに気がついたお釈迦さまが、ハーリーティの子をひとり隠したところ、彼女は半狂乱になって探し回りました。
そこでお釈迦さまが、「たくさんの子を持つお前でありながら、ひとりでもいなくなるとそれだけ嘆き苦しんだ。
それが、たったひとりしかいない子を失った母の悲しみがどんなものかわかったであろう」と諭し、子どもを返しました。
すっかり改心したハーリーティは、その後、安産や子育ての女神になって、民間で篤く信仰されました。
摩多羅神(またらしん)という不思議な神がいました。
この神を説いた玄旨帰命檀(げんしきみょうだん)という平安時代から続いた天台宗の一派は、江戸時代に行われた宗教改革で、淫祠邪教として真言立川流(註)などとともに廃絶されました。
しかし、その片鱗はさまざまな所に密かに残されています。これが鬼子母神や中世の仮面芸能とも繋がることになります。
このようなわが国の神仏習合思想の闇の部分である「異貌の神々」については、稿をあらためて続編を書くことにします。
特に摩多羅神や歓喜天は、興味が尽きませんよ。お楽しみに。(2022.9.28)
(註)真言立川流;平安時代末に醍醐寺三宝院から派生したといわれる性的秘儀を伴う密教一派。
荼枳尼天や髑髏本尊を拝するシャーマン的集団で「煩悩即菩提」を実践し、13世紀頃に「彼の法」教団として最盛期を迎える。徳川幕府の邪教粛正策で消滅した。
図版)
仏界と六道輪廻図
八坂神社の茅の輪くぐり
荼枳尼天像
訶梨帝母像(園城寺蔵)

*画像・内容は籔内佐斗司氏のSNSよりお借りしました。

 

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